医療機関がホームページを制作する際、集客や情報発信だけでなく法律面の遵守が非常に重要です。

医療情報は扱いを誤ると、行政指導やトラブルの原因になることもあります。

ここでは、医療機関がホームページ制作で注意すべき法律や規制、実務上のポイントを解説します。

1. 医療広告ガイドラインの遵守

医療機関のホームページは、厚生労働省が定める**「医療広告ガイドライン」**の対象です。

注意点

• 治療効果を断定的に表現しない
  • NG例：「この治療で必ず治ります」「完治率100%」
• 比較広告や優良誇大表現の禁止
  • 他院と比較して自院の優位性を示す表現は注意
• 治療費や料金の明示が必要
  • 自費診療の場合は必ず費用を明示
• 医師やスタッフの紹介は、資格や専門分野を正確に表記

ポイント：患者に誤解を与えない正確な情報提供が法律上の義務です。

2. 個人情報保護法への対応

患者の問い合わせフォームや予約システムを設置する場合、個人情報保護法に準拠する必要があります。

注意点

• 名前・連絡先・診療内容などの個人情報を適切に管理
• プライバシーポリシーを明確にホームページに掲載
• SSL化（HTTPS）や暗号化で通信を保護
• 情報の利用目的を明示し、同意を得る

ポイント：個人情報の取り扱いミスは信頼低下や法的リスクにつながります。

3. 著作権・画像利用の注意

ホームページに掲載する文章や画像は、著作権法を守る必要があります。

注意点

• 他院や他サイトからコピーした文章や写真を無断使用しない
• ストック写真や自作イラストを使用する際は権利関係を確認
• 患者の写真を掲載する場合は必ず同意書を取得

ポイント：法的トラブル防止のため、コンテンツの権利確認は必須です。

4. 特定商取引法の確認（自費診療・オンライン販売）

自費診療や医療関連商品の販売をホームページで行う場合、特定商取引法の表示義務があります。

注意点

• 商品やサービスの価格、支払方法、返品・キャンセル規定を明示
• 医療機関が提供するサービスの条件を正確に表示

ポイント：トラブル回避と信頼向上のために、販売情報の明確化が必要です。

5. アクセス・医療機関情報の正確性

法律上は必須ではありませんが、正確な情報表示はトラブル防止になります。

注意点

• 医療機関の所在地、電話番号、診療時間は常に最新情報を掲載
• 休診日や予約方法を明確にする
• 緊急時の対応や連絡先を誤解なく記載

ポイント：誤った情報は患者の混乱や信頼低下につながります。